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循環型建築 — サステナブルデザインから循環型の実践へ

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建築は、今、新たなフェーズに入りつつあります。

これまでサステナブルデザインは、より良い素材を選ぶこと、エネルギー性能を高めること、CO₂排出を削減することなど、環境負荷を低減する視点で語られることが多くありました。これらは今後も重要ですが、次のステップとして求められているのが「サーキュラリティ」です。

循環型建築は、建物、素材、資源が一つのライフサイクルを終えた後も、どのように価値を生み続けられるのかを問い直します。

それは、使うためだけに設計するのではなく、再利用、修繕、分解、素材回収、そして次の循環までを見据えて設計することです。また、建物を価値ある素材が蓄積された「マテリアルバンク」として捉える視点でもあります。

本号では、建築におけるサーキュラリティとは何か、なぜ今重要なのか、そしてサステナブルデザインから循環型の実践へ進むために何が必要なのかを考えます。

「環境負荷を減らす」その先へ

サステナブル建築は、多くの場合、環境へのマイナスの影響を減らすことから始まります。

しかし、循環型建築はその一歩先を考えます。プロジェクトが終わったときに、素材が廃棄物として消えてしまうのではなく、次の価値につながるように建物を設計できるかを問い直します。

循環型のアプローチでは、素材がどこから来て、どのように使われ、どれだけ長く価値を持ち続け、最初の役割を終えた後にどのように再利用・転用できるのかを考えます。この変化は、設計の役割も変えていきます。建築家やプロジェクトチームは、一つの建物のためだけに素材を選ぶのではなく、将来の再利用、カーボンインパクト(CO₂排出への影響)、資源循環、長期的な価値に関わる意思決定を行うことになります。

サーキュラリティは、建物を素材の最終地点ではなく、より大きな循環の一部として捉える考え方です。

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なぜ今、サーキュラリティが重要なのか

今、サーキュラリティが重要になっている背景には、業界を取り巻く変化があります。

日本では、建築物のライフサイクルカーボンに関する議論が加速しています。2028年度を目途に、建築物LCAやライフサイクルカーボン評価、環境データの開示に対する期待がさらに高まっていくことが見込まれます。

建築・建設業界にとって、これは素材選定の理由をより透明性高く説明する必要があることを意味します。運用時のエネルギーだけでなく、素材、施工、改修、解体に伴うカーボンインパクトや資源利用の影響を把握することが、ますます重要になります。サーキュラリティは、この変化と深く関係しています。

素材を再利用し、追跡し、循環させることで、プロジェクトは廃棄物削減、CO₂削減、そして環境に配慮した意思決定の根拠を明確にすることができます。そのため、サーキュラリティはもはや単なる実践的な視点ではありません。今後の制度、開示、そして責任あるプロジェクト運営に備えるための実践的な視点になりつつあります。

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循環のアイデアから実践へ

循環型建築を実践に移すためには、プロジェクトの初期段階からサーキュラリティを計画する必要があります。

施工前には、環境負荷が低く、長く使え、再利用の可能性がある素材を検討することができます。改修や解体の前には、どの資産を回収し、記録し、次のプロジェクトへつなげられるのかを把握することができます。そのためには、想いだけではなく、素材の可視化、ライフサイクルデータ、アセットマネジメント、そしてメーカー、設計者、施工者、デベロッパー、プロジェクトオーナーの連携が必要です。

デジタルツールは、素材情報の整理、環境負荷の比較、プロジェクト資産の管理、リユース機会の可視化を支えることで、この移行を後押しします。

matinnoは、素材情報が可視化され、つながり、実務で活用できる状態になることで、循環型建築の実装が可能になると考えています。

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政策から実践へ

9月30日、matinnoは循環型建設と業界の未来をテーマにした招待制イベントを開催しました。

当日は、行政および業界の登壇者とともに、ライフサイクルカーボンや開示を含む今後の政策動向について議論し、規制への対応をどのように実務へ落とし込んでいくのかを考えました。

本イベントでは、政策、設計、素材データ、実プロジェクトの事例をつなぎ、何が変わろうとしているのかだけでなく、今からどのようなアクションを取れるのかを共有しました。

建築家、メーカー、施工者、デベロッパー、そして循環型の建築・建設に関わる皆さまと、この議論を今後もさらに深めていきたいと考えています。

イベントのハイライトや主な学びについては、次回のニュースレターでご紹介する予定です。

循環型建築は、サステナブル素材を使うことだけではありません。素材、建物、資産が循環し続ける仕組みを設計することです。

政策動向、カーボン開示、素材の透明性がますます重要になる中で、サーキュラリティはこれからの建築における実践的な要件になっていくと考えられます。 これからの建設業界では、何をつくるかだけでなく、今日使う素材が、明日どのように再び価値を生み出せるのか。

その問いが、ますます重要になっていくでしょう。

— The matinno / NND Team —

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